こんにちは、アサヒです。
FX自動売買EAのロジックでよく使われているナンピンマーチンという手法について紹介します。
僕がメインで使っているEAもナンピンマーチンが採用されていて、個人的にもこの手法が気に入っています。
ただ、ナンピンマーチンは仕組みを理解しておかなければ大きなリスクを背負うことになりかねないので、正しい使い方を覚えておきましょう。
ナンピンマーチンは2つの手法の組み合わせ
ナンピンマーチンとは、『ナンピン』と『マーチンゲール』という2つの手法を合体させた言葉です。
まずはそれぞれの手法について解説します。
ナンピンとは？
ナンピンとは、最初にエントリーした方向のポジションに対して逆行したとき、保有中のポジションと同一方向に追加でエントリーすることです。
例えば、ドル円が100円のときに『買い』を1万通貨（国内口座は1ロット、海外口座は0.1ロット）でエントリーしたとします。
しかし、予想に反して下落し、99円になったとします。100pipsの下落なので含み損が1万円となりました。
ここで、1万通貨追加で『買い』エントリーします。合計2万通貨のポジション保有ですね。
そしてここから上昇し、99.5円になりました。この時点で、最初のポジションは-5,000円、2個目のポジションは+5,000円となるので、相殺して0円となります。
さらに上昇してもとの100円まで戻ってきたら、最初のポジションは0円、2個目のポジションは+1万円となり、利益が出ます。
このように、予想した動きと逆行した場合に、ポジションを増やして平均購入単価を下げるのがナンピンです。
マーチンとは？
『マーチンゲール』を省略して『マーチン』と呼ばれることが多いのですが、これはもともとカジノで使われていた手法で、勝率50%以上のゲームにお金を賭けるときは、負けても次の勝負で倍額を賭け続ければいつかは勝てるという理論です。
例えばコイントスで表が出たら勝ちというゲームをするとしましょう。
勝ったら賭けた分のお金が手に入るとします。
負けたら倍額を賭け続けます。
1,000円からスタート。
するとどうなるか・・・
このように、1回でも勝てばこれまで負けた分のお金を取り戻せるのがマーチンゲールです。
FXのナンピンマーチンの仕組み
つまりナンピンマーチンとは、ナンピンする際に倍でエントリーすることです。
例えば先ほどのドル円の例で、100円で1万通貨『買い』エントリーして逆行し、99円になったとします。
そこで、今度は2万通貨で追加の『買い』エントリーをします。
そしてそこから上昇し、99.335円になりました。この時、最初のポジションは-6,650円、2個目のポジションは+6,700円となり、+50円の利益となります。
単純に1万通貨でナンピンした場合は99.5円まで戻らなければ損失でしたが、倍額でエントリーすることによって、少しの戻りでも利益が出せるようになります。
もしこれで戻らないようなら、
4万通貨で追加エントリー
8万通貨で追加エントリー
16万通貨で追加エントリー
32万通貨で追加エントリー
以下続く・・・
このように倍々でエントリーしていき、戻るまで待ちます。
ですので、ナンピンマーチンは非常に勝率の高い手法なのです。
ナンピンマーチンEAのエントリー例
僕が使っているドル円ナンピンマーチンEAは、0.06ロットからスタートし、0.12、0.24、0.48・・・と倍々でエントリーしていきます。
最初のエントリー方向が非常に重要になってきますが、そこはEAのロジック次第ですね。
ロジックがうまくハマれば、たった1日でも爆益をもたらしてくれるのがナンピンマーチンです。
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ナンピンマーチンのデメリット
もうお気付きかもしれませんが、ナンピンマーチンには最大のデメリットがあります。
それは、相場が一方向に大きく動き続けたときに耐えられないことです。
例えば『売り』ポジションを保有中に、下図のように押し目をつけることなく急上昇したとします。
何度もナンピンを繰り返してもいいのですが、その分、抱える含み損も膨大になり、ついには資金量を超えてしまいます。
資金には限界があるため、ナンピン回数にも限度があり、決済のタイミングなく相場が一方向に動き続ければ、強制ロスカットとなり資金が底をつきます。
いくら勝率が高くても、すべての資金を吹っ飛ばしてしまっては意味がありません。
そうならないように、ここからはナンピンマーチンで勝つための大事な話をしていきます。
無限ナンピンすれば負けないのでは？
ナンピンマーチンの仕組みを知ると、もしかしたら『勝つまでナンピンし続ければ負けないのでは？』と思うかもしれません。
その答えは・・・Yesです。
無限にナンピンすれば負けません。
ただし、そのためには膨大な資金量が必要になります。
例えば、1億円くらいの資金を用意して、100通貨からスタートすれば、ほとんどの値動きには耐えられるでしょう。
しかし、これはあまりにも非現実的です。
最初から膨大な資金を用意できる人はいませんし、用意した資金に対して得られる利益も極めて少ないです。
資金効率が悪すぎます。
ですので、負けないことを考えるより、負けてもいいからトータルでプラスになるように考えた方が、効率良く増やせます。
ナンピンマーチンにおける損切りの考え方
ナンピンマーチンEAは、基本的に自動での損切りはありません。
なぜ自動損切りがないかというと、証拠金すべてを使ってトレードするように設計されているからです。
例えば、10万円入金したのであれば、10万円すべてを使ってトレードするイメージです。
10万円を使い切るまでナンピンします。
もし10万円で足りなければ強制ロスカットとなり、その時点で損失確定となります。
つまり、『損切り=強制ロスカット』なのです。
ですので、入金する際は、損失を許容できる金額のみにしておき、それ以上は入金しないようにしましょう。
例えば10万円入金していて、含み損が5万円くらいになったときに、その含み損のプレッシャーにやられて手動で損切りしてしまうと、10万円入金している意味がありません。
含み損が8万円くらいまで膨らんだ後に戻ってきて利確することだってよくあります。
せっかく利確できたはずのに、5万円も損失を確定させてしまったらもったいないですよね。
もし手動で損切りしてしまうくらいなら、最初から5万円だけ入金してロットを低めに運用しましょう。
また、10万円で運用するべきところを、余裕を持って15万円入金するなども、基本的にはやめた方がいいでしょう。
なぜなら、強制ロスカットが起こったときに、10万円の損失で済むところを、15万円の損失に拡大してしまう可能性があるからです。
ただし、15万円入金することによって、ナンピンで耐えられる幅が広がるので、勝率が上がるメリットはあります。
このバランスを考えるのがなんとも難しいところなのですが、逆に言えば考えてもわからないことに時間を割くのは無駄なので、EA開発者が推奨する資金に素直に従っておくのがいいのかなと思います。
ナンピンマーチンEAは性質上、大きな含み損を抱えることがあります。
しかし、含み損にドキドキしてはいけません。ナンピンマーチンとはそういうものなのです。
もしドキドキが止まらないのであれば、資金量が自分に見合っていません。
FXはあくまでも余剰資金でやるものです。失ってもどうってことないお金で運用すれば、含み損にうろたえることもないでしょう。
小さな資金から始めることをおすすめします。
ナンピンマーチンは資金管理が最重要
ナンピンマーチンEAは、どんなに優秀なものでも強制ロスカットにあう可能性はあります。
個人的な体感では1年に0〜3回くらいあります。
100%勝ち続けるEAはこの世に存在しません。
ですので、運用者による資金管理が最も大切です。
先述したように、EAが負けるときは強制ロスカットにあうときなので、強制ロスカットによる損失をいかに減らすかが鍵となります。
そのためには、利益をこまめに出金することです。
例えば、資金10万円で運用していて、20万円まで増えたとします。
そしたら、利益の10万円は出金して確保しておくのです。
そうすれば、強制ロスカットにあったとしても10万円の損失で済みます。
利益の10万円は確保しているので、負けていないのです。
残った10万円で再稼働することもできますね。
これを繰り返すことで、手元に利益が残っていきます。
資金管理ができていないと元金も利益も全部吹っ飛ばしてしまい、コツコツドカンになってしまうので、必ず利益はこまめに出金しましょう。
強制ロスカットの回数を減らすには
強制ロスカットにあっても大丈夫と頭ではわかっていても、できることなら回避したいものですよね。
そこで、リスクが高まる場面で停止させることをおすすめします。
- 重要な経済指標発表の前後2時間は停止する（逆方向へ急変動するリスクに備えるため）
- 金曜日の夜までには停止してポジションを持ち越さないようにする（月曜日の窓開けリスクに備えるため）
- 月末月初は停止する（押し目や戻り目のない一方的なトレンドになりやすいため）
- 年末年始、お盆、GWは停止する（相場の動きが不安定になるため）
月利の高いEAを選ぼう
強制ロスカットのリスクがあることを考えると、損失をすぐに戻せる回復力のあるEAを選ぶのがおすすめです。
例えば月利10%しかないEAの場合、10万円で運用すると、資金が2倍になるまでに10ヶ月かかかります。
そこで強制ロスカットにあってしまうと、10ヶ月分の利益がパーになってしまいますよね。
ですので、できるだけ月利が高いものを選びましょう。
とはいえ、相場次第なので限界もあります。
月利100%など出せるのが理想ですが、それはリスクも大きくなるので、月利30%以上を目安にするといいと思います。
月利30%なら、10万円で始めたとして10ヶ月で30万円の利益です。
1回強制ロスカットにあって10万円失っても、20万円は残る計算です。
月単位ではなく年単位で利益が残るかを考えてEAを選ぶようにしましょう。
僕が使っているEAは80%以上出るときもあります。
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ナンピンマーチンを行う際に考えるべきパラメータ
ナンピンマーチンを前提にエントリーする場合、下記パラメータについて考えておく必要があります。
- 初期ロット
- ナンピン幅
- ナンピン回数
- いくらの戻しで決済するか
これらのパラメータは、自分で設定できるEAもあれば、あらかじめ決められているEAもあります。
ただ、ロット数の変更はどのEAでもできるはずです。
念のためこれらのパラメータについて説明します。
初期ロット
最初にエントリーするときのロット数です。
0.01ロットからスタートすれば、ナンピンする度に0.02、0.04、0.08・・・と増えていきます。
ナンピン幅
どのくらい逆行したらナンピンするかを決めます。
例えば10pips逆行したときにナンピンするなら、ナンピン幅は10pipsです。
通貨ペアや時期によるボラティリティによって最適なナンピン幅は変わりますが、だいたい10〜20pipsの間で収めるといい感じに機能する気がします。
ナンピン回数
何回ナンピンするかを決めます。
ナンピン回数は多い方が勝率もアップしますが、そこは資金との相談です。
ドル円なら12pips刻みで7回くらいナンピンすればだいたい対応できそうな気がします。
ユーロドルなら10pips刻みで12回くらいナンピンすればだいたい対応できそうな気がします。
いくらの戻しで決済するか
ナンピンして戻ってきてプラ転したとして、どこで決済するかを決めます。
一律に1,000円など値段を決めるか、それとも最後のナンピンから何%戻したところなど割合で決めるか、決め方は色々あります。
いろいろとパラメータはありますが、基本的にはEA開発者の推奨パラメータを使用するといいでしょう。
開発者にも開発者なりの思想があるはずですから、その思想に則って動かした方がパフォーマンスもよくなると思います。
ナンピンマーチンEAで勝てる人と負ける人の違い
ナンピンマーチンEAは世の中に多く出回っています。
おそらく、ナンピンマーチンならロジックが簡単な割に勝率を高くできるし利益も大きくできるので作りやすいのでしょう。
1日何万円の利益！と言った方がインパクトもありますしね。
しかし、先述したようにナンピンマーチンにはリスクもあります。
なので、そのリスクを理解せずに運用している人は、利益を出金せず、ある日一瞬で全部吹っ飛ばすことがあります。
そして、『なんてひどいEAだ！』とワーワーわめきます。
100%勝ち続けるEAなんてないのに、EAのせいにして自分の運用方法を見直そうとしないんですね。
でもこれは、EAを配布している側に問題があると思っています。
リスクがあるにも関わらず、そのリスクについてちゃんと説明せず、EAをただ投げ渡してハイ終わり、で済ませる業者が多いのです。
ナンピンマーチンなんて何も知らない初心者からしたら、そりゃあEAのせいにもしたくなりますよね。
EAを配布する以上、ちゃんと使い方を説明する義務があります。
ここまで説明してきたように、ナンピンマーチンは上手に使えば非常に強い武器になります。
ですがそれを正しく理解していない人は、『ナンピンマーチンは危険だ！』と言います。
もちろん、FXのトレードスタイルには自分の相性にあうあわないがありますので、ナンピンマーチンがあわない人もいるでしょう。
しかし、よっぽど粗悪なEAじゃない限り、資金管理さえちゃんとしておけば勝てます。
ナンピンマーチンの仕組みとリスクを正しく理解して、勝ち続けていきましょう！
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