こんにちは、アサヒです。
EAを使ってるシステムトレーダーは、リスク分散するために複数のEAを使ってポートフォリオを組んでいるのが一般的です。
しかし、運用者の状況によっては、ポートフォリオを組むことが逆にデメリットになることもあります。
今回はポートフォリオのデメリットについて考えていきましょう。
動画で解説
そもそもポートフォリオを組むのはなぜ?
そもそもポートフォリオはなんのために組むのでしょうか?
漠然と「リスク分散」のイメージはあると思いますが、もう少し具体的に言うと、「ドローダウンをなだらかにするため」です。
たとえばひとつのEAを稼働させて、下記のような収益推移だったとします。
収益が凹む時期が目立ちます。
このようなドローダウンが来たときにメンタルが耐えられなくなります。
人は損失に弱く、大きなドローダウンが来るとビビって続けられなくなります。
そのメンタル的なダメージを回避するためにポートフォリオを組むわけです。
このEAに、ロジックの異なるEAを組み合わせて、損益を平均化してドローダウンをなだらかにします。
※この平均推移は適当に引いてるので実際の数値は異なります。イメージとして捉えてください。
このように複数のEAを組み合わせて収益推移を平均化すれば、ドローダウンの大きな凹みがなくなるのでメンタルを保ちやすくなります。
これこそがポートフォリオを組む意味です。
メンタルが保てるならポートフォリオは不要
逆に言えば、大きなドローダウンに耐えられるメンタルを持っているなら、別にポートフォリオなんか組まなくていいということになります。
ひとつのEAでも長く継続して最終的にプラスに推移していくパフォーマンスを持っているなら、別にそれでいいわけです。
大きなドローダウンが来ても、気にせず継続できるなら、別にポートフォリオを組んでなくてもいいのです。
最終的にプラスになればそれでいいのです。
複数のEAに資金を分散するよりも、ひとつのEAに資金を集中させた方が資金効率が良い可能性もあります。
つまりポートフォリオを組むかどうかは、運用者のメンタル次第ということです。
大きなドローダウンにメンタルが耐えられないならポートフォリオを組んでメンタルへの影響を和らげた方がいいですし、大きなドローダウンに耐えられるメンタルがあるならポートフォリオを組まなくてもいいと思います。
一点突破の戦略
僕自身はポートフォリオを組むべきだと思っていましたが、とあるシステムトレーダーさんは、ドローダウンに対する恐怖心がなくなってきて、「複数のEAを管理する方がだるい」と感じるようになったため、パフォーマンスのいいEAに資金を集中させるようになったそうです。
ポートフォリオの失敗談
実際、僕もポートフォリオで失敗したことがあります。
ユーロドルのEAを8個ぐらい使っていたときのこと。
一応どれもロジックは違いますが、全部ナンピンマーチン系のEAでした。
ロシアウクライナ紛争が始まり、ユーロドルはものすごい下落したあとにものすごい上昇をしました。
そのときに、僕が使ってたユーロドルEAたちは、どれも含み損を抱えていました。
一応含み損の大小の差はあり、含み損が大きいEAもあれば、含み損が小さいEAもありました。
何個かは自分で損切りし、何個かは自然に利確しましたが、1個だけ完全に忘れてたEAがあり、それは強制ロスカットになっていました。
一応資金管理はしていたため、致命傷ではありませんでしたが、とはいえ不必要なロスカットでした。
管理するEAが多くなればなるほど、こういった人為的なミスが発生します。
そのため、自分の目が届く範囲でポートフォリオ組むのがいいなと思いました。
ユーロドルだけで8個は多すぎました。
分散になるだろうと思って深く考えずに増やしすぎても、逆にリスクを増やしてしまう可能性があります。
そもそもEAに資金を投入するということは、その資金はリスクにさらされてることになります。
EAを増やすのがリスク分散になるという見方もできますが、しかし逆に考えることもできて、EAを増やすということはそれだけ資金をリスクにさらしてる、つまりリスクを増やしているという考え方もできます。
EAを使ったら資産が減る恐れもあるわけですから。
ポートフォリオを組むなら通貨ペアを分散しよう
もしポートフォリオを組むなら、通貨ペアを分散させた方がいいと思います。
というのも、ナンピンマーチン系のEAだと、ロジックが異なっていても通貨ペアが同じならドローダウンの時期も重なることが多いからです。
相場が大きく動くと、なんだかんだ含み損で捕まる場面は似てきます。
ナンピンマーチンの場合はロジックでの分散はあまり期待しない方がいいと思います。
通貨ペアをばらして分散させた方がいいと思います。
通貨ペア単位で1セットと見る方法もある
補足ですが、僕は同じ通貨ペアのEAでも複数使っています。
というのも、通貨ペア単位でひとまとまりとして考えているからです。
たとえばユーロドルEA複数使って、僕はそれを1セットと見ています。
同じように、ゴールドのEAも複数使ってそれで1セット、AUD系のEAを複数使ってそれを1セット、といった具合にグループに分けて考えて資金配分しています。
僕自身のメンタルを考えたときに、通貨ペアをばらしても1個だけだと運用しにくいなと思うことがあるのです。
どういうことかというと、同じ通貨ペアのEAでも複数使うことによって、1個のEAに執着しなくなるので、正しいリスク管理が精神的に行いやすくなります。
たとえば僕がよくやるのが、AとB、2つのEAがあったとして、基本的にはどちらも指標前には止めますが、
指標前でもなかなかポジションが解消されていないときにどうしているか、というと、
Aは運用資金ぎりぎりで動かしているため、割と手動で損切りすることがあります。
しかし、Bは耐久力があるため、損切りせずにそのまま動かしっぱなしにすることが多いです。
これなら、どっちに転んでもダメージは抑えられます。
もし、逆行してBがロスカットしたとしても、Aは無事だったからよかったと思えます。
逆にBが助かってAも動かしっぱなしでも問題なかったという場合でも、Bは損切りしてないから無駄な損切りを回避できてよかったと思うことができます。損切りするのAだけで済んでよかったと思えます。
これはEAの特性によって変わってくるため、どちらのEAが優秀かという話ではなく、2つ同時に使うから効果を発揮するというイメージです。
2個使っているから損切りできるメンタルになれます。AのEAで損切りしようと思えます。
1個だけだと損切りを躊躇してしまって、下手したらAとBどっちも大きな損失になる可能性もあります。
これがある意味ポートフォリオの効果です。
精神面での効果を発揮して正しい管理をしやすくするのがポートフォリオです。
なので、ポートフォリオを組んでも精神が安定しないのであれば意味がありません。
ただ単にリスクを増やしているだけになります。
ドローダウンの時期が重なって、「うわ怖い、損切りできない」みたいに精神を不安定にさせてしまうのであれば、それはポートフォリオになっていないので、複数使うのはやめた方がいいです。
含み損の大きさが異なれば分散効果がある
個人的には、同じ通貨ペアのEAを複数使って、同じタイミングで含み損を抱えたとしても、含み損の大きさが異なればOKだと思っています。
例えばユーロドルのEAを3種類稼働させていたとします。
そして相場が大きく動いたときに、3つとも含み損を抱えたとします。
でも、その含み損の大きさが異なっているなら分散効果はあると思います。
Aは大きくて、Bは中くらいで、Cは少ない、みたいにばらけているなら、ここから立ち回りがしやすいです。
プラスで終わらせるのは難しくても、3つ合わせて微損で終わらせられる可能性もあります。
僕自身、2021年ごろのユーロドルの大きな下落でこういう立ち回りを強いられたことがありました。
1個だけ大きなドローダウンになったため、それは手動で損切りして、残り2個は微損と微益で撤退しました。
こう聞くと、その大きなドローダウンになったEAはダメじゃんと思うかもしれませんが、実は普段は利益率が高いので、トータルで見ると結構パフォーマンスがいいのです。
なので、大きなドローダウンがあったとしても、期待値は高いのでポートフォリオから外す必要はないと判断しました。
ポートフォリオから外す基準
逆にどうなったらポートフォリオから外すかというと、相場が大きく動いたときに、1個だけドローダウンが大きくなって、他の2つはなんともない、相場を見ても特に危険な動きでもない、そういう場合はそのEAの性能を疑います。
そして利益率を見ていって、「どうもこれはトータルプラスにするの難しそうだぞ」と感じたら、そのEAの性能が悪いということなので、もう使うのをやめます。
もし3種類ともドローダウンがあれば、「あ、今回は相場が大きく変動したんだな」と思って仕方ないで割り切ります。
あくまでも僕の個人的な基準なので、これが正解というわけではありませんが、僕はこんな感じでいつも決めています。
同時稼働すると本命が見つけやすい
ナンピンマーチンEAはオンオフしながら運用していくので、バックテストで正確なデータが取れないのがもどかしいところです。
バックテストの結果と、実際に運用した場合の結果はかなり乖離します。
そのため、僕はフォワードテストを重視していて、複数のEAを同時に稼働させています。
そうすることで、「このEAは扱いやすいなー、自分と相性いいなー」というのがわかってきます。
これは本当、人によって違いますね。
僕が無理だと思ったEAでも、普通に利益を上げてる方もいらっしゃるので、相性ってあると思います。
複数使っているなかで、その中でも長年使ってるのが3つあり、その3つは結構挙動もわかっていて癖もわかっているので、自分にとって扱いやすいです。
なのでもう他のEAの資金をこの3つに集中させてもいいかなと思ったりもします。
この3つならしっかり管理できるので、割と資金を多めに入れておいても問題ないんじゃないかなと。
これはEAが優秀というより、自分がこのEAを扱いやすいと感じているだけで、もちろんこれらのEAも放置していたらロスカットにあいます。
しかし、長く使うことで特徴がわかって扱い方にも慣れてきたので、もうほぼロスカットにもあわなくなりました。
やはりEAは長く使ってみないと分かりません。
今よくわからないと思っても、それをじっくり集中して使ってみることで扱い方にも慣れてきます。
そうやって使いこなせるEAだけでポートフォリオを組んでいくのが最終的には理想のスタイルなのかなと思います。
EAを選ぶ際の注意点
EAを選ぶ際の注意点としては、1場面だけでパフォーマンスを判断しないということです。
ある1場面だけを見て、パフォーマンスがよかったEAと悪かったEAで分かれることもあると思いますが、じゃあパフォーマンスがいいEAだけを残せばいいのかというと、そういうわけでもありません。
同じ場面でも、EAによって含み損の大きさは変わるでしょうし、ロスカットすることもあれば爆益になることもあります。
そのときに、「このEAはロスカットしたからダメだ」とか「このEAは爆益だから優秀だ」みたいに安直には決められません。
長く運用していくと、「こっちのEAはこの時は含み損は少なかったけど、でもあの時は含み損が大きかった」「そのかわりこっちのEAはあの時は含み損が大きかったけど、この時は小さかった」とばらけてきます。
むしろポートフォリオ的にはばらけた方がいいです。リスクが分散されるので。
EAのパフォーマンスは短期間では判断できないので、長期で見る必要があります。
EAを厳選するのは長い道のり
ポートフォリオは、適当にEAをたくさん使えばいいというわけではありません。
ナンピンマーチン系であれば、放置していたら全部ロスカットにあって全資金を溶かす恐れもあります。
それはポートフォリオではありません。
単に無駄にリスクを増やしているだけです。
EAに資金を投入するということは、お金をリスクにさらすということです。
そのため、手持ち資金を複数のEAすべてに投入してはいけません。
FXはレバレッジがかかっている以上、破綻するリスクは0にはならないです。
株や現物なら0になる可能性は低いですが、FXは0になるリスクが常にあります。
だからこそ、現金で待機させておく資金も大事ですね。
待機資金も用意しておく、そして、ロスカットの時期がばらけるようにポートフォリオを組みましょう。
効果的なのは通貨ペアをばらすことだと思います。
EAを厳選するのは長い道のりです。
僕自身もポートフォリオをどうするかずっと悩んでます。
これだ!という組み合わせがなかなか決まりません。
一応気に入っているEAはだんだん絞られてきましたが、もう少し分散したいという気持ちもあって、今も情報収集してます。
ポートフォリオにおすすめのEA
個人的に今はまってるのがPACという自動売買で、結構パフォーマンスいいです。
運用開始してもうすぐで1年経つところですが、利益率が174%出てます。
これの何がいいかって、完全放置でいけるところです。
なぜ完全放置できるかというと、PACの運営さんのシステムトレードをコピーしてくる仕組みだからです。
コピーといってもMAMやPAMMのようなものではなく、PACの運営さんのデモ口座にログインし、それをリアル口座にコピーするというEAを使います。
そのため、一応扱いとしてはEAです。
資金ロックはありませんし、ロットも自由に変更できますし、いつでもEAを止めて出金もできます。
しかも運営さんがものすごい資金量で実際に稼働させているので、これはリスク管理が徹底されてるんだろうなと思って、始めてみました。
そしたらこういう成果が出たという形です。
これは自分で管理しなくていいので楽ですね。
他にもナンピンマーチン系のEAを稼働してるので、そっちはそっちで自分で管理して、PACはほったらかしにしておく、というポートフォリオを組んでます。
下記記事にmyfxbookやEAの詳細を載せておくので、気になった方はぜひ見てみてください。
⇒1年で600%超えの利率を出しながらリスク管理を徹底した完全放置システム【PAC】